今日のモビリティ電動化を支える革新的技術の開発において、電磁界シミュレーションは重要な役割を果たしています。本セミナーでは、電動パワートレーンを成す主要コンポーネントの仮想プロトタイピング・最適化シミュレーションに向けた要件を整理し、更に製品信頼性に関わる車両全体に渡る電磁両立性の仮想検証と伝導ノイズ対策のフローを解説致します。
次世代電気自動車のパワートレーンに求められる、高出力化、低騒音化、小型軽量化、等のトレードオフ関係にある性能要件に応える製品設計において、コストと市場投入期間短縮の要請から、高性能電磁界シミュレータによる設計・最適化シミュレーションが必要不可欠となっています。
本セミナーでは、EVパワートレーンを構成する主要部品として、同期・誘導モーター、インバータ、バッテリーに焦点を当て、仮想プロトタイピングと性能・規制適合シミュレーションのフローをご紹介します。
パワートレーンのモデリングは、SIMULIA CST Studio Suite が備える電気機械・静電磁場・高周波有限要素法・時間領域有限積分法、RLC抽出ソルバ、など各ターゲットユニットの電気特性毎に相性のよいソルバを駆使して行われます。また CATIA, 構造応力、振動騒音、など物理領域を跨ぐ広範なシミュレーション実行・データ管理を 3DEXPERIENCE platform が広範囲にサポートします。
今後、自動車体験に革新をもたらす、先進運転支援システム(ADAS)、V2V(Vehicle-to-Vehicle)、AI支援の自動運転技術、など高性能エレクトロニクスの高密度実装を前提として、パワートレーンには厳しい基準の電磁両立性(EMC)と電磁妨害(EMI)規制規格への適合が求められます。実際に、パワートレーンユニットを車両に固定・ケーブルハーネス接続したときに、車体が伝導・放射電磁エミッションを適切に抑制しているかの仮想検証も、今後一層重要となります。
また、自動車キャビン内へ漏洩する電磁波のドライバーへのばく露を定量的に把握し、規制基準に準拠することは製品出荷の前提条件であり、そうした実測では難しい検証も電磁界シミュレーションによって高精度に行うことが可能です。