洗剤ボトルキャップは洗剤投入の際の計量容器としての機能を兼ね備えているため、投入時の液だれを防ぐことは設計をする上で重要な指標の1つになります。ここでは流体解析による液だれ性の定量評価ワークフローを確立し、web画面により設計者自らが設計案の性能評価としてシミュレーションを実施できる環境を構築・利用する様子をご紹介します。
ダッソー・システムズが提唱するMODSIMでは、モデリング (CAD) とシミュレーション (CAE) を単一環境の共通データモデルでシームレスに統合することにより、製品開発に関わる仕事を合理化し、分野を横断した協調でイノベーションを加速します。CADと統合されたCAEモデルによる性能評価ワークフローは自動化と大衆化を経て、web GUIのような解析専任者でなくても簡単にシミュレーションを利用できる環境を構築することができます。これにより、設計者は解析専任者とのやり取りなしに自分でいつでも性能評価をすることが可能になり、一方で解析専任者は手順の決まった解析を実施するというルーチンワークから解放され、新しい解析技術の構築など、より高い専門性を発揮する時間を十分にとることができます。
液体洗剤ボトルのキャップは、洗剤を計量・投入するのに利用することが多く、そのような場合には液だれを防止することが非常に重要です。洗剤の種類により液だれ性は変化するため、洗剤に合わせて液だれしない形状を設計する必要があります。ボトルキャップは大量生産にて安価に製造することは簡単ですが、設計案の試作という観点では非常に大変でコストがかかります。そのためシミュレーションを使った液だれ性の評価により、そのコストと時間を節約することができますし、設計案に対する性能評価の時間や手間を削減すればその設計効率は大幅に向上します。
本webinarでは3DEXPERIENCE platform上にて液だれシミュレーションに対する専用GUIを構築し、MODSIMの大衆化を実現した様子をご紹介します。液だれ解析モデルはFMK (Fluid Dynamics Engineer) の流体解析機能を用いて構築されていますが、パラメータ駆動の3DCADの設計案変更と合わせてワークフローとして整備したうえで、Process Experience Studio機能によりGUIベースで専用GUIを作る様子を、具体的なデモを交えてご紹介します。